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黄色と青のガムテープ

ラーズが5泊の出張で行っていたストックホルムから帰ってきた。
故郷はヨーテボリだけど、彼の第2の故郷はストックホルムだ。

写真の中のラーズの義兄さんの胸には、黄色と青のウクライナカラーのバッジ。考えてることは私と近いだろうな、と安心する。
スウェーデン国旗も同じ配色だから、より親近感が湧くんだろうな。

駅への通り道の家の窓際に、ずいぶん前から髑髏とロシア国旗が飾られていた。中を窺うと、なんとなく温かい感じのする家で、そんなにヤバい感じはしない。さすがにウクライナで戦争が起きてから、国旗は撤去されていた。
髑髏はまだ、道ゆく人をお出迎えしてます(笑)

イギリスには、ロシアの人も、ウクライナの人もいるから、わたしは特にバッジとかは着けない。
そもそも悪いのは国であって、そこに住む人とは別だと考えたくて…
勿論、どうしようもない政治をストップできなかった責任の一旦は国民にあるかもしれないけれど、独裁政治だったら抵抗できないのでは…?

Oxfamのお客さんで、革ジャンに黄色と青のガムテープを貼っている人がいた。わたしは、レジでにっこりと対応しただけだけど、なんとも励まされるものがあった。

いつかすぐ、そのテープを剥がせる日が来ることを願ってやまない。


# by telstar-77 | 2022-05-17 22:00 | U.K. - Newcastle | Trackback | Comments(0)
土曜の昼下がり。
Newcastle のシネマコンプレックスの奥の小道にあるカフェにいると、窓の外をモヒカン青年とゴスっぽいその友人が通り過ぎた。

『ラーズちゃん、見て!モホークのあるPUNKSが!』とキャッキャしてたら、気づいた2人が小道をUターンして戻ってきた。
細身のお兄さんの格好は、辛子色のモホークに、パッチを沢山つけたGジャン。

私のチェックのシャツが見えますか〜!私もその辺の音楽が好きでござるー!、と目をハートにしていたら、パンク青年は、友人に促された様子で、もう1度Uターンして来た。

…これは、相思相愛である。
ニコニコと手を振ると、モヒカン青年、嬉しそうであった。

わかりやすくモヒカンのPUNKSが街を歩いているのは、イギリスでは今やめったに見かけなくて…。もちろん聴く人は多いけれど、PUNKファッションの青年は、圧倒的に日本の方が多いような気がします。

この日は、小道を1回引き返すだけで、合計3回も目当ての人の視界に入ることができるというセルフプレゼンテーションのテクを学びました。(笑)

# by telstar-77 | 2022-04-30 23:00 | U.K. - Newcastle | Trackback | Comments(0)
ラーズがキッチンで面白そうなテレビを見ていた。
『The Hunt for Bible John』
60年代のグラスゴーで起きた、連続殺人事件のドキュメンタリー。

『Bible John』と呼ばれたシリアルキラーは現在も捕まらず、事件は謎に包まれたまま...

番組の終わりの方で、見覚えのある愛らしい建物を見つけ『はっ!これはあの建物!』と、探偵気分に。自室のMacからBBC iPlayerで、もう1度見てみることにしました…

1968年頃。ドキュメンタリーのキャプチャー画面。
壁面の中央に "UNDERGROUND" 縦方向に "ST. ENOCH" の文字。
地下鉄の出入口だったようです。

BBCドキュメンタリー『The Hunt for Bible John』_a0391400_00420994.jpg


こちらは現在。
BBCドキュメンタリー『The Hunt for Bible John』_a0391400_20510556.jpg
手前に見えるガラスとスチール製の物体が、現在の地下鉄ST. ENOCH駅の入口。エスカレーターに続いています。駅舎だった建物は Cafe Neroに。
丁度いいアングルの写真を探したら2019年の5月のものがありました。2022年現在もこの写真と同じ配置です。



さて、本編に戻りましょう。
1968年から1969年のグラスゴー。
ダンスホールに出掛けた女性たちが、謎の男性によって次々と殺害された。目撃者の証言で、その男は会話の中で聖書の引用をしていたことから、"バイブル・ジョン"と呼ばれた...。
BBCドキュメンタリー『The Hunt for Bible John』_a0391400_01325116.jpg
https://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/m0011xrm/the-hunt-for-bible-john-series-1-episode-1

実際の事件だから決して興味本位に騒ぐものではないけれど...。
わたしの大好きなグラスゴー、60年代、ダンスカルチャー!
番組内で挿入されるダンスホールのシーンは、超クール!

…けれど、このドキュメンタリーに映った当時のグラスゴーの街は、煌びやかなイメージのスウィンギン・ロンドンとは程遠い、荒れに荒れ果てた場所でした。窓ガラスはあちこち割れたまま。
戦争はだいぶ前に終わったというのに、まだ野良トイレとか...

それでも若者たちは、夜な夜な着飾っては、うらぶれたアパートを飛び出し、ボールルームへ繰り出す。今のグラスゴーは歴史深い芸術の根付いた街という印象だけど、当時はなんでもアリのロックンロールシティーだったみたい。

登場した老婦人のことばが印象的でした。
"The dancing was our life.
It was just a way of
getting put off the doom and gloom."

『わたしたちにとって、踊ることが生きることだったの。
 まったく希望のない現実を追い払う手段だったのよ』


今の日本と同じかもしれません。
当時のグラスゴーの方が明らかに荒廃していたけれど、同じなのは、どんなに閉塞感があっても、明日が見えなくても、週末に仲間と夢みたいな空間で陽気に過ごすだけで、また次の週も頑張れるということ。すごくよくわかる。

わたしは4年ほどイギリスのニューカッスルに住んで、ロンドンやグラスゴーやマンチェスターも何度か訪れたけれど、60’sカルチャーに思い入れのある人は、日本に比べるととても少ない印象。パンクもどちらかと言えば、70年代後半からオリジナルパンクスだった人たちの音楽で、20代ぐらいの若い人はあまり聴かないような…。
思わぬ肩透かしを喰らいました。(笑)

イギリスでは、若者から大人になると、家族を持って、大人として生活していく土壌があって、余裕がある。皆が経済的に豊かかといったらそうではないけれど、ほんとうに家族第一で幸せそうに暮らしている人たちが多い印象。ひとかどの人物にならなくても、それはそれで幸せそう。

ちなみにニューカッスルには、いわゆるクラブ文化、パーティーシーンは存在しているのだけど、どうもアンダーグラウンドミュージックシーンがすごく盛り上がっているようには見えず...。
わたくしの彷徨えるロックンロール魂は、一体何処を目指すのでしょう?(笑)

そうそう、話が逸れついでに、もう一つご紹介…
BBCドキュメンタリー『The Hunt for Bible John』_a0391400_00264248.jpg

70年代のマンチェスター警察を舞台にしたクライムサスペンス『Life on Mars』が、わたしは大好きです。邦題は『時空刑事1973 ライフ・オン・マーズ』!

2006年から2007年にかけてBBC Oneで放映されていたTVドラマ。ストーリーは、警部サム・タイラーが捜査中に事故に遭い、目を覚ますとそこは1973年だった。現代にいるサムは意識不明。73年にいるサムは果たして元の世界に戻れるのか?というストーリー。

わたしはエンディングがすごく好き。
フィクションの醍醐味ともいえるエンディングで、素晴らしい幕切れ。オススメです!


# by telstar-77 | 2022-01-15 00:02 | U.K. - Glasgow | Trackback | Comments(0)